ルバーブとの出会い
20数年前、ここ飯田高原で田舎暮らしを始めて間もないころです。知人に頂いたフキに似たお野菜。当時は名前も知らない不思議なお野菜でした。
畑の隅で育てて1年。収穫したルバーブをジャムに。
程よい酸味と不思議な風味。はじめての味。はじめての美味しさ。
まさにワクワクの体験でした。
この美味しさと感動を多くの方々に経験していただきたい!という想いをきっかけに始まった私のルバーブ栽培でした。
ルバーブとの出会い、そして農薬も肥料も使わずに生き物たちの命の営みの力を借りて野菜を育てる炭素循環農法との出会い。
ついに見つけた「生きがいとやりがい」でした!
そして今。
素朴でのどかな九重・飯田高原
ここで生き物が持つ自然のチカラを活かした炭素循環農法で、美味しさと健やかさを追及して生まれた宝物「ルバーブ」
私たちはその宝物を「花鳥るばーぶ」と名付けました。
まだ知らない
〃はじめての美味しさ〃
〃ワクワクの出会い〃
を皆様にも!
日本ではまだまだ認知度が低く、親しみの薄いルバーブですが、
「ルバーブ好き」を増やすため、
「感動」を共有するために
畑に立つ日々を送っています。
探求者 木村耕士
ルバーブって何?
シベリア原産の見た目はフキやセロリに似たお野菜です。暑さに弱く、涼しい気候を好みます。日本では北海道や長野が主な生産地となっていますが。標高1000m前後に位置する、ここ飯田高原も九州でありながら、栽培適地となっています。
味わいは、青リンゴやキウイ、梅の様な風味があります。他に似たものがない独特のコクとフルーツ系の爽やかな酸味が最大の特徴です。
パイやジャム、コンポートなどのお菓子の材料として使われることが多く、その風味と、初めての味に驚かれる方がたくさんいらっしゃいます。
乳製品との相性が抜群で、アイスクリームやヨーグルトとのペアリングはお勧めです。
美味しいだけでなく豊富な栄養成分も含まれています。
ビタミンE・K・B1・B2・B6・C、カロテン、ナイアシン、葉酸、パントテン酸等のビタミン群。
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄などのミネラル。
たんぱく質・脂質・炭水化物の三大栄養素や食物繊維など。
女性にはうれしい成分が含まれています。
日本では、まだまだ知られていませんが、北欧ではとてもポピュラーなお野菜として昔から親しまれています。
健康で豊かな土を作るための炭素循環農法
お野菜が美味しく、そして健康に育つためには、農薬も肥料も必要ありません。
必要なのは、お野菜にとって”最高の寝床”=”健康で豊かな土”。ただそれだけです。
健康で豊かな土を作るために、私たちは、「草」や「木の葉」や「木の枝」などの未分解の有機物(炭素資材)をたっぷりと畑にいれます。
土の中で暮らす菌や微生物たちは、それをもりもり食べて(分解して)くれます。
彼らの命の営みの中で、野菜がすこやかに育つために必要な栄養が生み出されます。
その恵みを利用し、野菜は元気に育ちます。
菌や微生物やたちは、すぐにお腹を減らします。彼らのお腹を満たすために、畑の隣に畑と同じ広さの自然の草原を用意しています。私たちは草を刈り取り、隣の畑に入れる作業を繰り返えします。
大気から植物に、植物から微生物に、微生物から大気にと巡る炭素の循環が生命あふれる、健康で豊かな土を生み出してくれます。
その土こそが、野菜たちの”最高の寝床”なのです。
どうして炭素循環農法なの?
慣行農法では、化学肥料や有機肥料を畑にまきます。肥料とは主に窒素です。まかれた窒素のうち、野菜が利用できなかった窒素は、土にとどまることができません。雨のたびに河川に流れ出し、川や海を富栄養の状態にします。赤潮の発生や環境破壊の原因になります。
炭素循環農法は、肥料を使いません。畑に入れるのは、草や木の葉などの未分解の有機物(高炭素資材)です。未分解の有機物は、菌や微生物の大好物です。畑に入れられた有機物は彼らの餌となり、彼らは数を増やします。そして生命にあふれた土になっていきます。
化学肥料の原料の多くを輸入に頼っています。家畜由来の糞堆肥も、海外から輸入した飼料が元になっています。遠くから運んできますから、その輸送に多くのエネルギーを使ってしまいます。
炭素循環農法で使う農業資材は、草原で刈った草や、森の木の葉や、木の枝などです。全て身近なところで簡単に手に入る物ばかりです。地域完結型の農業を実践できます。
炭素循環農法は基本不耕起です。大型トラクターなど必要ありません。農業機械はほとんど使用しません。使用する機械は、草を刈る為の草払機、刈った草を運ぶトラック位です。これらの機械もガソリンを使用しますが、最小限で済みます。時代が進めば、それらの燃料は再生可能エネルギー(電気)で補うことができるはずです。
私の畑では大量の草を畑に敷き詰めます。何層にも何層にも積み重なった草は、土に触れた部分から分解が始まり、土に還っていきます。その土はまさに自然の森の香り。表面の草は干し草の香り。それに農作物の緑の香りがあわさり、まさに癒しの空間です。ストレスの開放にはもってこいの場所です。
慣行農法では、肥料を使います。野菜は、根を張り巡らさなくても簡単に栄養を吸収できます。楽に、早く、大きく成長します。そしてすぐに老化します。
それに対し炭素循環農法の畑では、野菜の栄養はカプセルの中に閉じ込められた状態でたくさん存在します。しかし、野菜たちはカプセルの中の栄養は利用できません。
そのカプセルとは微生物の体なのです。
微生物の命が終わった時、その栄養は土の中に解放され、野菜が利用できるようになります。放出された限られた栄養を求めて野菜は一生懸命根を張り巡らし、ゆっくり成長します。
しっかりと根を張った野菜は、暑さ寒さ、湿気や乾燥、病気になどのストレスに強く、丈夫に育ちます。
多少の「日照り」や「長雨」、「高温や低温」が続いてもへこたれません。
皆さんは、楽をして育った野菜と、鍛えられて育った野菜、どちらを食べたいと思いますか。
腐るということは、腐敗菌の働き(分解)で起こります。
腐敗の反対が醗酵です。これは醗酵菌たちの働きによるものです。
腐敗と醗酵の違いは、人にとって有益かそうでないかで決まります。
ちなみに腐敗菌の好物は窒素です。
肥料を豊富に与えられ育った野菜の体には、たくさんの窒素が蓄えられています。
野菜は窒素を蓄える場所がなくなると、自分の体を大きくして蓄える場所を作ります。
大量の窒素を蓄えた野菜が枯れると、すぐに腐敗菌がとりつき、腐らせます。
炭素循環農法で育った野菜の体は、炭素と窒素のバランスが取れています。そうすると腐敗菌が取りつきにくくなります。腐敗せずに、枯れて醗酵して分解されていきます。
炭素循環農法の基本は土づくりです。
良い土の条件は、たくさんの菌や微生物や虫たちが元気に暮らせる事。微生物や菌を増やすためには、彼らの餌である生の有機物が必要です。
彼らの主食は炭素です。そして炭素を食べるために、わずかなおかずを必要とします。そのおかずが窒素です。
この主食(炭素)とおかず(窒素)のバランスが取れたものが、「雑草」や、「木の枝」や「木の葉」などの生の有機物なのです。
この有機物を未分解のまま畑に入れます。そうすると微生物や菌たちは喜んで食べてくれます。
菌が増え、微生物が増え、それを捕食する生き物が増えることで、命溢れる豊かな土になっていきます。
一部の有益な菌や微生物だけでなく、多くの種類の生き物が暮らすことにより、微生物たちの命の営みは活発になり、豊かな土となります。
必要なのは、生物多様性に満ちた土、その土を維持するための環境だと考えます。
無農薬と無肥料は切り離せない
化学肥料も有機肥料も、その窒素分はどちらも無機窒素です。
無農薬と無肥料は切り離せません。
有機肥料は生の有機物(木や、木の葉や、草や動物の糞など)が、分解されたものです。
有機肥料(堆肥)で野菜は育ちますが、畑の菌や微生物は増えません。
堆肥は既に、畑の外で菌や微生物によって分解されているからです。野菜の栄養であっても、菌や微生物の食べ物ではないのです。
対し、生の有機物をたくさん入れた畑には、たくさんの数と種類の菌や微生物がいっぱいです。善玉と呼ばれるものや悪玉と呼ばれるもの、条件次第でどちらにもなるもの。色々です。
彼らは調和を取って暮らしています。特定の菌や微生物だけが増えることはありません。悪玉菌だけが増え、病気が蔓延することはないのです。
虫も同じです。益虫も害虫もバランスよく暮らし、どちらかが一方的に増えることはありません。
畑に肥料を入れずに、生の有機物を入れれば、菌や微生物が増え、健康で豊かな土が生まれます。土が健康であれば、農薬を使う必要もありません。
また、菌や微生物は土の物理特性を向上させます。
水はけがよく、ふかふかな土を作ります。
ふかふかな土は、高温、低温、乾燥、湿気などのストレスから作物を守ってくれます。
自然の森を見てください。
肥料を与えていないのに、農薬を使っていないのに、たくさんの木々や植物が元気に育っています。
同じように
肥料を使わなければ、農薬は不要になるのです。
ルバーブの収穫体験をしてみませんか?
ルバーブフィールズにお越しいただければ、ルバーブの収穫体験ができます。
是非、畑の土に触れてみてください。土の香りをかいでみてください。
無農薬、無肥料で生まれた自然の土を実感してください。
無農薬無肥料で野菜が育つ事に、ご納得していただけると思います。
※収穫体験は要予約です。収穫したルバーブは全て1kg1,000円(税込)で全てお買い上げいただきます。